心の整理がまだまだついていなのに…
故人のスマホに毎日届く通知。
通知が来るたび、心がえぐられるような思いをしていませんか？
本記事では、心の整理をしながらSNSと向き合う方法を紹介します。
SNSが遺族にもたらす“二つの側面
故人のSNSアカウントは、遺族にとって「思い出の宝箱」である一方で、「心をえぐる存在」になることもあります。
誕生日通知、思い出投稿、タグ付けなど、突然目にすることで悲しみがぶり返すことも少なくありません。
一方で、過去の投稿やメッセージから故人の気持ちを感じ取れたり、残された家族や友人との絆をつなげてくれたりもします。
SNSには、癒しと苦しみの両方の側面があり、それぞれの向き合い方が求められます。
思い出として残したい気持ち
亡くなった家族や友人のSNSアカウントを見ていると、投稿の一言ひとことや写真の表情から、その人の人柄や日常が鮮やかに思い出されることがあります。
メッセージのやりとりや、家族との記念日の投稿などは、まさに「生きた証」。
心が落ち着いたときに見返すことで、心の癒しや前向きな気持ちにつながることもあります。
特に、子どもや孫にとっては知らなかった一面を知るきっかけにもなるでしょう。
SNSは現代の「形のない遺品」として、大切に残したいという気持ちは決して不自然なものではありません。
見るたびに悲しみが蘇る苦しさ
SNSの投稿や通知は、心がまだ整理できていない時期には深い悲しみを引き起こすことがあります。
例えば、誕生日に届く「おめでとう」のコメントや、数年前の思い出投稿がタイムラインに流れてくると、胸が締め付けられるような思いになる方も少なくありません。
また、故人がタグ付けされた投稿が友人からシェアされたり、アカウントが生きているかのように見えてしまったりすることで、気持ちの整理がつかず苦しさが増してしまうことも。
大切なのは、「つらい」と感じたときは無理に向き合わず、自分のペースで対応することです。
SNSとの関係にも、心のタイミングがあると理解しましょう。
心の整理を助ける３つのアプローチ
SNSに残された故人の記録とどう向き合うかは、人それぞれ。
完全に削除するのも、そっと残しておくのも間違いではありません。
大切なのは、あなた自身が少しずつ心の整理をつけられる方法を選ぶこと。
ここでは、遺族の気持ちに寄り添いながらSNSアカウントを整理するための3つの方法をご紹介します。
追悼アカウントの設定や削除申請、何もしない選択まで、それぞれのメリットを知って、あなたらしい対処法を見つけてみてください。
追悼アカウントへ切り替える
FacebookやInstagramなど、一部のSNSでは「追悼アカウント」への切り替えが可能です。
この設定を行うと、アカウントが「故人の記録」として残り、他者からのログインや投稿ができなくなります。
誕生日通知などの機能もオフになり、そっと思い出を残す場として活用できます。
また、コメントを受け付ける設定にしておけば、友人や知人からの追悼メッセージが集まり、故人をしのぶ場にもなります。
SNSを削除するのは寂しいけど、放置はしたくない…そんな気持ちに寄り添った選択肢です。
SNSの運営に削除申請する
SNSのアカウントを完全に削除したい場合は、各サービスの運営元に「アカウント削除申請」を行うことができます。
Facebook、Instagram、X（旧Twitter）、LINEなど、それぞれに専用の申請フォームがあります。
一般的には、死亡証明書や戸籍謄本、申請者が法定相続人であることを証明する書類などが必要です。
削除手続きは少し手間がかかりますが、アカウントをそのままにしておくことで起こる誤認やトラブルを防ぐことができます。
つらい気持ちに整理をつけたい方や、第三者による乗っ取りなどのリスクを回避したい方にとって、有効な対応方法です。
そのままでもOK、自分のペースで
SNSのアカウント整理は「すぐにやらなきゃいけない」ものではありません。
見るのがつらい時期は、無理に削除したり追悼設定にしたりせず、そのままにしておいても大丈夫です。
心の準備ができたときに、少しずつ対応すればいいのです。
悲しみの感じ方も回復のスピードも人それぞれ。
何もできないことを「自分が弱い」と責める必要はありません。
「そのままにしておく」という選択も、立派な心の整理の一歩です。
自分にとって一番安心できる方法で、ゆっくり向き合っていきましょう。
遺品整理について詳しい情報は下記よりどうぞ
